鮫頭
森元首相が、きょう福岡の講演で、ソチ五輪フィギュアスケート女子団体について「負けると分かっていた。浅田真央選手を出して恥をかかせることはなかった」と述べた。さらに女子ショートプログラム(SP)で16位だった浅田選手を「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と評した(東京新聞電子版)。彼は2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会会長である。
私は、はっきりいってフィギュアスケートにあまり関心がない。だから男女とも、リアルタイムで競技も見ていない。しかしこの発言は問題があるだろう。国のオリンピック組織委員会の長にいる人間が、一生懸命に闘っている選手を貶めるような言を発してはいけない。
もともとこの森元首相というのは、失言の多い男である。「日本は天皇を中心とした神の国である」などという発言をくり返してきた。彼の程度をあらわすエピソードがある。以前に当ブログで書いたことがあるが、もう一度書く。ノンフィクションである。
昔、ニュージーランドに住んでいた頃である。不動産屋に勤めるパムというとても魅力的な女性と彼女の運転する車でドライブしていた。新居を探すためである。
「いまの日本の首相の名前を知ってる?」
「あのライオン・ヘアーの? うーん、なんていったっけ」
「小泉っていうんだけど。では彼の前の日本の首相の名前は知ってる?」
「いや、知らない」
「森っていうんだ。ちなみに、彼のニックネームは“鮫頭”。つまり大きなからだに、ちいさな脳ミソ。それで“シャーク・ヘッド”っていうんだ」
「ハハハッ!」
「その森が首相になって、初めてホワイトハウスを訪ねることになったときのこと。彼はひと言も英語を話せなかったけれど、クリントン大統領と会うときには、最初の挨拶を英語でガツンとかませたいといったんだ。オレは、教養があるんだゾと」
「で、彼は話せたの?」
「外務省の人間に、挨拶のテキストをつくらせた。そして、それは、彼のレベルにあわせて、とてもかんたんなものになったんだ」
「まず、‶ハウ・アー・ユー?″といってください。そういうと、クリントン大統領は答えます。‶アイ・アム・ファイン″と。そうしたら、‶ミー・ツゥー″と答えてください。それだけ。いいですね、首相。‶ハウ・アー・ユー?″ ‶ミー・ツー″それだけです。そのあとは我われがやります」
「そして、いよいよ森首相はホワイトハウスにクリントン大統領を訪ねたんだ」
体育会系で、脳ミソまで筋肉のような彼は、そのときがちがちに緊張していた。そして大統領と握手しながらいった。
「フー・アー・ユー?」
クリントン大統領もさすがに驚いたけど、すぐに切りかえした。
「アイ・アム・ヒラリーズ・ハズバンド!」
森は、そこで、さらにいったんだ。
「ミー・ツー!」
運転していたパムは、あまりに笑いすぎて、路肩に車を脱輪させそうになった。
森元首相は、ジョークのつもりで麻央ちゃんのことをしゃべったのかもしれませんが、ジョークにはその人の品性や知性が如実に出るような気がします。
by TAGOSAKU (2014-02-21 14:02)