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ノブレス・オブリージュ

Noblesse Oblige というフランス語の言葉がある。意味は、「位高ければ、徳高きを要す」。
つまり、社会的地位の保持には責任がともなう。私訳すると、「選ばれし者は気高くあれ」である。

小説家の開高健は、この言葉を随筆のなかで何度も取りあげている。私見だが、恩人でもあり親友でもあったサントリー元社長の佐治敬三に贈った言葉であるともおもわれる。アメリカの小説家でノーベル文学賞受賞者であるウィリアム・フォークナーがこの言葉を小説のなかで何度もつかっているので、そこから開高はこの至言を知ったとも推察される。
赤坂の地下にある酒場「K」。そのカウンターの隅、開高がいつも座っていた所に、「Noblesse Oblige Ken Kaiko」という真鍮のプレートが埋め込まれている。私はそのカウンターでときどきグラスを傾けることがある。

最近、ウクライナのヤヌコビッチ政権が崩壊した。大統領が逃げだした公邸は豪奢を極め、総計40億円を超えるシャンデリアがいくつも天井からぶら下がり、高級外車とクルーザーがずらりと並んでいたという。フイリッピンのマルコス政権も同じだった。中東リビアのカダフィ政権も同じだった。「位高くして、徳低かった」のである。しかし、日本は発展途上国ではない・・・とおもいたい。

だが、いまの安倍政権はそれらの発展途上国を笑えない状況なのである。秘密保護法案を通し、平和憲法を廃止し、集団的自衛権という名で軍隊を持とうとしている。そのために、公共放送であるNHKに息のかかった人間を送りこみ、その思想を蔓延させようとした。しかし送りこんだ籾井という新会長が想定外のバカだった。言うことなすこと、すべて世のひんしゅくをかうことになってしまった。馬脚をあらわした。安倍もさすがにホゾを噛んでいることであろう。

そこで、私は不思議におもうのである。籾井勝人というあのしまりのない顔をした男は、三井物産の副社長まで上りつめた。三井物産というのはかなりの大会社だとおもう。そういう会社で、ここまで無能な男がなぜNO・2までいけたのだろうか。日本の大きな会社というのは、ただただ組織のなかでうまく泳ぐ人間が出世できるようになっているのだろうか。

私は会社勤めをしたことがない。だから、まったくわからない。なぜ、あのような人物が出世したのか。誰でもいい、わかりやすく教えてください。


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K

たしかに、あれは佐治氏にあてた手紙みたいなものかもしれませんね。
大組織のことは僕もわかりかねるので
今日もマティーニ作りに励みます。
by K (2014-02-27 14:32) 

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