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淡交

3か月の精神病院入院で多くの人間と会ったが、すこし親しく会話をした人間は3人だけだった。
檻の中の濃密な生活ですからね、過去をきかない。暗黙のうちにそうなっている。ただちょっとした会話で相手の人柄やなんやかんやを推測する。ふたりはタクシドライバーだった。もうひとりはわからない。そういう関係だ。
夜中のトイレで会った私と同じ年頃のオヤジは放尿しながら言った。「こんなところにいると、生きてるんだか死んでるんだかわからなくなる」
すこし親しくなった3人とはケイタイの番号とかは交わさなかった。退院するとき、「じゃあね!」と言っただけ。あとは、1億数千万人のなかの日本人として散らばっていくだけ。こういう後腐れのない人間関係もいいと思う。

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