NZ地震ー3
2時間ほど前、クライストチャーチから吉報が届いた。
かの地で、私の最も親しい友人であるウィリーの無事が確認されたのである。彼の家族も無事らしい。
メールも電話も通じないので、私はじりじりとしていた。そこで、かろうじてメール連絡ができるようになった日本人女性のチエにウィリーとのコンタクトをたのんだ。彼女はいま日本人留学生のための通訳ボランティアとして忙しくしているそうだが、その合い間をぬって、彼と連絡をとってくれたようだ。
ウィリーの家はかなり壊れ、いまだ水も電気もきていないそうだが、彼なら大丈夫。サバイバルの天才だからだ。庭にテントを張り、ランタンを吊るし、暖かい寝床もつくっているだろう。孫たちも一緒にいるとおもう。
彼は映画「クロコダイル・ダンディ」みたいな男なのだ。どんなときでも鼻歌をうたい、笑いながら事に対処する。
釣りと狩猟の名人でもある。食糧が不足すると、川で大鱒を釣り上げ、河口で鮭を釣ってくるだろう。ライフルを担ぎ、山で鹿と野豚を捕ってくるだろう。野獣の解体も、ナイフ1本でそれは見事に手早くこなす。そういうことをいとも簡単にやってのける男なのだ。そして、その魚と肉を近所に分け与え、残った分を、庭で妻のキャシーと孫たちと笑いながらバーベキューにしていることだろう。
ほんとうに、そういうことを鼻歌まじりにやってしまう男なのだ。
ウィリーの職業は大工である。だから騒ぎが落ちついたら、また自分で家を建て直すことだろう。もともと自分で建てた家だ。以前よりも住みよい家をつくるであろう。
今夜はテーブルにグラスを2個置き、かちんと合わせて「チェアーズ!」と言って彼の無事を歓びたい。
ウィリーさんとその家族が無事で何よりでした。
by pescador@高崎 (2011-02-26 18:50)
多数の犠牲者のことをおもうと心が痛いですが、ウィリーと彼の家族の無事はほんとうにホッとしました。
ぼくにとって、ニュージーランドの思い出の半分はウィリーなのです。
彼のおおらかな善意の上に、ぼくの幸せな暮らしがありました。
by 渡辺裕一 (2011-02-26 19:32)
ウィリーが無事で安心しました。またいつか彼と一緒に鱒を釣りたいものですね。
by KEVIN (2011-02-27 01:45)
クーロー村を流れるワイタキリバーは、でかかったなぁ。
ウィリーのジェットボートで河の洲に上陸し、また豪快な鱒釣りをしたいものですね。
夕まずめに敗北したあの大場所で、リベンジしたいものです。
あのとき、ウィリーはワラビー猟に行ってました。
by 渡辺裕一 (2011-02-27 02:26)
ご無事でしたか。良かった!
by とびお (2011-02-27 10:03)
黒々と音もなく流れる大河。聞こえるのは散発的な鱒のライズと、遠くで響くターン、ターンという猟銃の音だけ。
空には孤独な雲が一つ、月に照らされていました。
ぜひまた行きたいです。
by KEVIN (2011-02-27 15:10)
その国が好きということは、そこで出会った人が好きということでしょう。
人は自分が育った文化、風土、言語からは逃れられませんので、その人が好きというのは、その人の国が好きということでもあると思います。
人は、人によって幸福にもなり、不幸にもなります。なんつって。
by pescador (2011-02-28 21:52)