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街は動く

昨夜、ウェブデザインの会社を運営しているA君と中目黒の老舗酒場「M」で会う。彼はかつてCFディレクターであったが、いまはそういう会社の社長である。

 

ビールのあと、解禁されたばかりのボジョレ・ヌーヴォーを飲む。縁起もののワインだから、味はしょせん、そんなものである。でも、なんだか話が盛り上がり、近くの店にハシゴとなった。

 

駅裏のちいさなビル4階の店に案内される。扉を開けると、「あ~ら、Aちゃん、お久しぶり~」の声とともに、長淵剛の唄ががんがん。

あ、これはちょっと、とおもったが、私ももうオトナである。笑いながらカウンター席に座り、しばし水割りのグラスを傾ける。カウンターのなかの女性二人の声がやたら明るくかん高い。1時間ほどたのしく飲んだあと、A君が「もう1軒、次の店へ」と言う。で、同じビルの2階の店へ。

 

扉を開けると、カラオケの歌声ががんがん。あ、これはちょっと、とおもうが、私ももうオトナ。笑いながら、カウンター席に座る。右の席に30歳前後のやたら美しい女性がひとりで飲んでいて、A君に紹介される。モデルだとのこと。なるほど、なっとく。ラテン系のハーフだとおもったが、純粋な日本人だとか。いま、ベリー・ダンスを習っていて、すっかりハマっていると言う。いずれにしても、美人と飲むのはたのしいものだ。

 

そのモデル嬢をまじえて、3人でたのしく飲んだ。でも、彼女に最後に言われた。

「ちょっと、頭でっかちじゃないですか。知識とかって、あまり意味ないですよ」

ハイ、深く反省いたします。

 

3軒の店をハシゴして、共通するものを感じた。どの店も、妙に明るく、客も店員もヘンにはしゃいでいるのである。浮き足立っているのである。私の中に、デェジャヴ感があった。バブル前後の六本木である。

 

70年代の新宿、80年代から90年代の六本木、赤坂、銀座。東京の盛り場の浮き沈みは、時代とともに動いてきた。。中目黒は、かつての浮かれた六本木と化しつつあるようだ。動物的なカンで生きてきた私は、そう感じる。

土地の磁場は、動くものらしい。


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コメント 3

大根山の紺虎吻区都

代官山の渋谷寄りの地域はひとつふたつとショップが店を畳んでいます。その逆側、隣の中目黒は店が増殖中。商圏が代官山と中目黒を包括するアメーバーだとすると、アメーバーはいま代官山からズルズルと坂を下っている最中のようです。
by 大根山の紺虎吻区都 (2010-11-21 00:35) 

チャラン・ポランスキー

美しい女性と酒を酌み交わすときの会話に知識ががだめなら残るは本能?徹底的に嫌われるとおもうんだけど。
by チャラン・ポランスキー (2010-11-21 16:44) 

A君

いやあ、失礼しました。これはちょっと、と思われる危険もあると思いつつお誘いしてしまいました。
確かに、3軒目の店のママは、その昔六本木でシャンデリアが落ちたディスコを運営していた会社に勤めてました。

とは言え、浮足立っているというか、浮かれているというか、せめてここでだけは浮かれていたい気分でいるというか、あの時代ほど社会環境が浮かれていないってところが、不幸なのか幸せなのか、、、??
by A君 (2010-11-26 13:52) 

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