妄想癖
一昨日知ったのだが、日本語の“妄想”を英語では"bug in someone's ear"と表現することがあるそうである。なるほど、“耳の中の虫”というのは、何となく生理的にわかるような気がする。
それで、大昔に知ったジョークを思い出した。
パリの精神病院の一室に、妄想狂と診断された3人の患者が入院していた。
ある日の昼下がり、ひとりが言った。
「おれはじつは、ナポレオンの右腕としてイエナの戦いを勝ちぬき、プロシアを征圧したときの功績で叙勲された英雄だ」
もうひとりが言った。
「それは、ウソだ。私は、きみに覚えがない」
先の男が気色ばんで言った。
「何だと、失礼な。そう言うおまえは誰だ」
「私は、ナポレオンだ」
「そんなわけがない」
「いや、私はナポレオンなのだ」
「誰が、おまえをナポレオンだと決めたのだ」
「神が、決めたのだ」
それまで、部屋の隅で沈黙を守っていた男が、ぽつりと言った。
「私は、決めた覚えがない」
私にも、すこし妄想癖がある。ときどき、耳の奥で虫の音がする。
2010-11-11 02:01
コメント(3)
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オーマイゴッド!
by sugita (2010-11-11 12:40)
心の病で入退院を繰り返す生活を20年近く続けている、釣り師のAという男がいます。ときどき病院から私の会社に電話をかけてきて、耳の中の虫の声(彼は予言と言います)や、新製品のデジカメの話、時には弊社の経営についてアドバイスしてくれます。その彼から聞いた病院内での話です。
先日、病院の風呂で糸を垂れて釣りをしている患者がいたそうです。その人があんまり楽しそうなので「釣れますか?」と聞いてみると、するとこう言い返されたそうです。「風呂で魚が釣れるわけないでしょ!」
by pescador (2010-11-12 00:05)
少しだけでしょうか…大いに、とお願いいたします。
by Reiko (2010-11-24 14:55)